人気のSteamでNFTゲームが禁止となったのはなぜなのでしょうか?
Steamとは
Steam(スティーム)は、PCゲームをプレイする人なら一度は聞いたことのあるのではないでしょうか。PCゲームのダウンロード販売がメインとなっている印象ですが、他にPCソフトウェアおよびストリーミングビデオのダウンロード販売やハードウェアの通信販売、またデジタル著作権管理などもおこなっています。マルチプレイヤーゲームのサポート、ユーザーの交流補助を目的としたプラットフォームでもあります。
開発元 | Valve Corporation |
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公式サイト | store.steampowered.com |
初版 | 2003年9月12日 |
プログラミング言語 | C++ |
プラットフォーム | デスクトップクライアント:Microsoft Windows、macOS、Linux 機能が限定的なクライアント:iOS、Android、PlayStation3 |
サイズ | Windows(41.5MB)/Mac(153.5MB) |
対応言語 | 28ヶ国語 |
サポート状況 | 運営中 |
種別 | ダウンロード販売 |
ライセンス | Steam Subscriber Agreement(プロプライエタリソフトウェア) |
STEAMで人気のゲーム
APEX Legends

Apex Legendsは、タイタンフォールシリーズのスピンオフ作品で、「エーペックス」や「エペ」「apex」などといわれています。Respawn Entertainmentが開発し、エレクトロニック・アーツよりリリースされています。基本プレイ無料の一人称視点のバトルロイヤルゲームです。
Stray

最近人気となっているこちらのゲームはサイバーシティに迷い込んだ猫の物語となっています。猫視点でのプレイができることで多くのゲーム実況者などが動画を公開しています。リアルに表現される猫のしぐさや鳴き声などがファンの心をつかんでいます。
ELDEN RING

神話から生まれる重厚な群像劇が広大なオープンワールドで展開される、ダークファンタジー世界が舞台のアクションRPGです。勝者のない戦争の果てに荒廃した世界で、主人公はエルデンリングを求めて戦います。独自の非同期オンライン要素でほかのプレイヤーの存在を感じることができます。
GhostWire: Tokyo
2022年3月に発売されたサイバーパンクなオカルトFPSです。東京中の人々が一瞬で消失した世界で幽霊や怪物など未知なる敵と戦うアクションアドベンチャーゲームです。術を使いながら敵を倒すという和風であり、独特なFPSとなっています。東京の街並みが細かく表現されたグラフィックにも注目です。
モンスターハンターライズ

過去からさまざまなハードウェアで発売している人気シリーズです。こちらもSteamでプレイすることができます。Steam版では4K解像度に対応し、美麗なグラフィックが実現しました。ボイスチャットやウルトラワイドディスプレイにも対応することで、より充実したプレイができるようになっています。
このようにSteamでは人気となっている作品をプレイすることができます。
なぜSTEAMは人気?
まずあげられるのがゲームのタイトルが非常に多いということです。ハードウェアに左右されることなくPCがあればプレイすることができるというタイトルが多くあります。そしてゲーム用PCであればスペックが高いので、ゲーム機でプレイするよりも高画質で楽しむことができます。
PCでのゲームはキーボードやマウスで遊ぶだけではありません。実はPlayStation4、5やSwitchのプロコンなどを接続することが可能です。コントローラを使うことができればPCでゲームをプレイすることのハードルも下がるのではないでしょうか。
そしてタイトルの料金の安さとダウンロードの容易さが特徴です。Steamというプラットフォームを通して販売するため、開発元は中間業者を介せずにゲームを販売することが可能となり、価格を低く設定することができるのです。
またユーザーはSteamでゲームを購入したり、ゲームの使用権を登録することでSteamのアカウントとゲームとを紐付けることができます。インターネット環境があればどのPCからでもゲームのインストールやプレイが可能となります。別のPCやアンインストールした手持ちのタイトルもすぐにプレイ環境を整えることができるといった特徴があります。
またソフトがダウンロード形式なのでディスクやパッケージが不要、ゲームのアップデートは自動で行われるため、手動でのバージョンアップは不要となります。
タイトルのセールやインディーズが豊富という点も人気の理由です。名作、人気作品だけでなくさまざまなタイトルのセールがほぼ毎日おこなわれています。割引率も高く、いろいろなタイトルにチャレンジしやすい環境です。またインディーズ作品に関しては、大手のハードからリリースすることは難しいといわれています。そのような世の中に出回っていないインディーズのタイトルの中には、大手のものに引けを取らないような作品がねむっていることもあります。それらをみつけるのも楽しみのひとつといえそうです。
以上のような理由からSteamの人気が高まっているのです。Steamを利用するメリットはプレイヤーだけではなく、ゲームの開発元にも大きな利点があることがわかります。
SteamはNFTゲームを禁止
NFTゲーム業界からも注目のSteamですが、リリースされる予定のNFTゲームがリリース禁止になってしまうというニュースが流れました。
「Age of Rust(エイジ・オブ・ラスト)」は、一人称視点のアクションゲームです。ストーリー主体のゲーム体験や戦闘、パズル要素などを盛り込んだDark Sci-Fi(サイエンスフィクション)作品となっています。ゲーム内でNFTを得られる要素をもちPlay to Earn を目的としたものです。
ブロックチェーンゲームでありながら従来のゲームのクオリティーを維持することができ、グラフィックだけでなく、ゲーム全体のクオリティの高さに期待されるタイトルだったのですが、現在Steamでは「販売終了」と表示されている状態です。
現在もゲーム自体は稼働しているものの、新規のプレイヤーは参加できません。Steamのガイドラインには、性的表現や差別表現を含むコンテンツのゲーム配信を禁止するという項目があります。それらと同様に「Steamで公開すべきでないこと」として挙げられている内容の中にブロックチェーンに関する項目が追加されたということになります。
なぜ禁止に?
考えられる理由としてはギャンブル問題です。Steamの開発元であるValveが法人拠点を置くワシントン州では、違法な賭博行為によって失った損失を取り戻すための法的処置が認められています。実際に2018年にソーシャルゲーム「Big Fish Casino」を巡る集団訴訟がありました。
Big Fish Casinoで使用されるゲーム内通貨が、現実的な価値を持っており、ゲームの結果によってそれが増減すれば、その行為はギャンブルなのではないか?ということが焦点に争われました。今年に入って1億5500万ドルの和解金で調停しているのです。
「Age of Rust」を含むNFTゲームでは最終的に法定通貨での取引がおこなわれるために、これらをギャンブルとみなされてしまう可能性は十分にあり得ます。Valveはそれらに付随するリスクを回避するためのNFTゲーム禁止措置ではないかと考えられています。
Steamが行った禁止措置を受け、Age of Rustの開発元であるSpacePirate GamesのCEOほか25人の開発者と、NFTプラットフォームのEnjinなど、計29の個人と団体がグループを結成し、Steamに禁止解除を求める公開書簡を提出しましたが、未だに状況は変わっていません。
プラットフォームによって分かれるNFTへの対応
一方でEpic GamesのTim Sweeney氏は、「Epic Games Storeではブロックチェーンを利用しているゲームは歓迎します」とツイートしたことが話題となりました。それでも「法律にのっとったことが条件であること」が大前提となっています。
まとめ
このようにNFTゲームでは現況、その可能性や期待よりも不安要素や問題点が多くあると考えられます。それらをどのように解決して いくのかが課題となるのかもしれません。
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